この砂丘へ向かう道がまたひどい。 これでは、まるで、ジャングルだ。 人が通った様子はあまりない。
砂丘自体は素晴らしいところであった。 靴を脱ぎ靴下を脱ぎ、砂に素足を絡めながら歩いてみる。 なんとも、気持ちのいいものだ。 ずっと歩いて、一番大きな丘を登ると、ちょっとした崖になっていてそこからは、海が見渡せる。 砂漠と海との絶妙なコンビネーションである。
さて、ここまではよかったのであるが、帰りが大変であった。 もと来たジャングルを帰るのであるが、途中からどうも見慣れない景色のような気がしてきた。 反対から歩いてるからそんな気がするのかな、と思いつつ歩いていると、どんどん道が狭くなっている。
そうこうしているうちに、道はさらに狭くなり、クモの数は増していく一方である。 それに、日もだんだんかげってきた。 このままでは遭難の可能性がある。 とにかく、日のあるうちにこの森の抜けるところまで行かなければならない。
どのくらい歩いただろうか、1時間半くらいは彷徨っただろうか、突如、視界が開け、なんとか無事公園のような所に脱出することが出来た。 水をまいているおじさんがいたので、ここはどこかと尋ねてみたが、とんちんかんな答えしか返ってこなかった。 無料大駐車場も知らないようだ。 とりあえず、交番の場所を教えてもらい、交番で聞いてみることにした。 ここからが、また、遠いのである。 教えられた道の通りに行くと、なんと、砂丘の入り口に戻ってきてしまった。 一体なんだったんだという感じである。 もう、何があっても、あの山道にはいるのは嫌だ。 そう思いつつ、さらに交番へと足をのばす。
しばらく歩いて、ついに、交番を発見した。 これで、なんとか無料大駐車場の場所が聞ける〜。 と、安心したのもつかの間、なんと、ふと見上げると、そこには懐かしい「無料大駐車場」の文字があった。 まったくもってしてやられっぱなしである。
かくして交番で尋ねることもなく、無事に車にたどり着くことが出来たのであった。
帰りは、以前自転車で来た道を逆にたどってみた。 ものすごく懐かしかった。 ここでご飯を食べたなぁとか、ここから電話をしたなぁ、とか、逆にたどっているにも関わらず、記憶は鮮明によみがえってくるのである。
こうして、なんとか、大雨の大阪に帰ってきたのであった。
めでたしめでたし。